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おだやかな日々に

万葉集落穂拾い 6

みやびを
相聞の続きです。
石川女郎が大伴宿禰田主に贈った歌です。
126 みやびをと吾は聞けるを宿かさず吾を帰せりおそのみやびを
大意: 君をみやびをと吾は聞いて居たのに、宿もかさず吾を帰した。おそらく君はおその(嘘の、鈍い)みやびを(風流を解する人)でありませう。
この返歌は
127 みやびをに吾はありけり宿かさず帰しし吾ぞみやびをにはある
大意: 君はおそのみやびをと呼ばれるが、吾はやはりみやびをであった。宿をかさず帰らせた吾がみやびをなのである。
下のURLに細かい説明がありますが、田主は(旅人の異母弟)それほど魅力的な男性であったのでしょうか。若い女が老婆に身を窶して会いに行くなど可笑しくもあるし、このように堂々と歌を詠んで遊びをする当時の宮廷社会に思いを馳せる。日本に仏教が入るまでは女が強かったんですよねと先生のお話。今も結構強い?
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/88/8811/m04/8811041.htm


129 古りにし嫗(オミナ)にしてやかくばかり恋に沈まむたわらはの如               石川女郎
 大意: 年をとり世におくれた老女の吾にしてまあ、君を恋ふる思いにかくも沈むものか、年ゆかぬわらはのごとくに

石川女郎さんは恋多き人だったのかしら。それにしても「古りにし嫗」などと言えばすぐ我が身を思ってしまうが、一体この時代の嫗とは幾つくらいの事かしら・・と、土屋先生の私注、「作者及び作意」に『「古りにし嫗にしてや」の句は深いさびしさに根ざすものと見えて人の心を打つ。 「恋に沈まむたわらはの如」の句も実にしみじみとした良い句だ。 女郎の実際の年齢は問題にならぬ。作者がかく感じ、かく歌っているのを受け入れれば足りる。』と書かれていた。またまたガツンとやられた気がした。
  1. 2007/06/06(水) 22:57:42|
  2. 短歌など
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

東隣貧女

 楽しい講義風景が想像されるだけに、その場に居合わすことのできる人たちが羨ましいです。126・127、二人とも初句に「遊士」結句に「風流士」を使ってやりとりしていて、なかなか機知に富んでいますね。漢文の説明の中に、「東隣貧女」とあるのに心ひかれました。中国では、「東隣之佳人」と言って、美人と言えば「東隣」の女として表現するのが普通だったそうで、石川女郎は田主にそのことを見破ってほしかったのですね。それにしても、なんと遊び心の強い時代だったのでしょう。それこそ風流ですね。田主は旅人の弟、家持の叔父、当時30歳未満らしいけれど、石川女郎さんは何歳くらいだったのでしょう。
 129では40歳くらい、相手の宿奈麻呂は20代の青年だったそうですから、年下の青年に恋したのですね。ちなみに宿奈麻呂は田主の弟ですから、勘定すると田主さんも年下になりますかね。「恋に沈まむ」は万葉に一例だけとか。「たはらは」というのも、味わいのある言葉と思います。お陰でまた万葉の勉強ができました。有り難うございました。
  1. 2007/06/07(木) 00:56:59 |
  2. URL |
  3. toko #-
  4. [ 編集 ]

恋に沈まむ

tokoさま、コメントをありがとうございます。
たった2首のやりとりの中に沢山の事柄が入れ込まれているのですね。129では年下の青年への恋だったとはまた何か切ないものをおぼえますね。などと色々想像しているうちに何となく万葉の時代にタイムスリップするような気持ちになって参ります。コメントを頂いてまた思いが広がって参ります。またどうぞ宜しくお願い致します。

  1. 2007/06/07(木) 21:22:23 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

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