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おだやかな日々に

万葉集落ち穂ひろい 13

ame
 歌にも品格というものがあるようです。
 
これやこの大和にしては我が恋ふる紀路にありとふ名におふ背の山35 阿閇皇女
我妹子に吾が恋ひ行けば乏しくも並び居るかも妹と背の山 1210 比喩歌より
 さて、この二つの歌のどちらに品格があるのでしょう。
素人の雲にとっては下の方が直接的で分かりやすい。と答えてしまいそうです。
土屋先生に依れば、
 「彼(上の歌)は実相であり、此(下の歌)は仮想である。歌品の高きと卑しきとの分かれる趣を知るには。便よき比較であろう。」とのこと。「乏」・・「ともし」を「羨し」と考えると下品になると。
また、次の歌に遭遇しました。
冬ごもり春の大野を焼く人は焼き足らねかも吾が心焼く 1337 比喩歌より
 う~ん、情熱的で格好良い!と思ったのですが、土屋先生は「民謡としていかにも低俗なものである。」と、一蹴。ギャハッ!
所がである。斎藤茂吉はこの歌を「万葉秀歌」に取り上げて居ると言うことで、はは~ん、斎藤茂吉は灼熱の恋をしたからか、などとまた下世話な事を思ったものです。尤も斎藤茂吉の万葉秀歌を読んでみれば、結論としては、「民謡風なものの中の佳作として鑑賞する方が好いであろう。」とのこと。絶賛しているというわけでもなかったのでした。余談ですが、茂吉のまじめな文章の中に突然「そんなら」などという表現が出てくるのが、可笑しくて・・・という訳で、土屋先生の歌品に対する繊細な感性に圧倒されると同時に、畏れ多くも、茂吉大先生に親しみを感じ、尚かつ雲の歌品への感度の鈍さを改めて知らされて、きょうの復習をおしまいに致します。
 画像は今朝の庭の花たちです。花はどんな花にも花品がありますね。
  1. 2009/06/30(火) 16:24:01|
  2. 短歌など
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

気品も歌品も、難しいものですね~
解説されて解るのではなくて、滲み出るものだと
思っているのですが...
雲さんのこの写真はさりげない気品に満ちていますね。
特に右端のシンプルな美しさ。
撮り手の気品が感じられます。
  1. 2009/06/30(火) 21:34:11 |
  2. URL |
  3. サイコ #ZeC0G1NE
  4. [ 編集 ]

花におまかせ

サイコさん、早速有り難うございます。
品というもの、やはり自ずからなのでしょうね。
でも、あまり品の良い人やものばかりだったら息がつまりそうになるのでは・・・などと、品性卑しき者は肩をこりこり^^;
  1. 2009/06/30(火) 22:12:30 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

歌の品格

歌の事は全く分かりませんが、土屋先生の説明を聞くとすこ~し分かった様な気がします。
お花がどれも素敵ですね、品格の有る花たちですこと。
  1. 2009/07/01(水) 22:18:24 |
  2. URL |
  3. bajiru #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

クラシック音楽の品格

bajiruさん、コメントを有り難うございます。
今ottavaでラフォルジュルネの最終日の録音でバッハを聞きながら楽しんでおります。バッハの音楽もすごい品格そのものですね。来年はショパンとか。今から楽しみです♪
といいながら、「やきとりじいさん体操」で大分品格を落としております^^;
  1. 2009/07/01(水) 22:59:19 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

万葉人の言葉

薄曇りの中のお花、 民謡は低俗であるからして宮廷で捧げられる喇叭の音もかくやと言えばよろしいでしょうか。あ~舌を噛みそ。
朝露の陰で真っ白にうつむく姿、丹精をこめた育て主にしか見せてくれない品格ですね。
複雑に抽象的な古代の日本語のこと知りました。やっぱり日本人は素晴らしいです。いつも有り難うございます。
  1. 2009/07/02(木) 10:12:22 |
  2. URL |
  3. わかめ #gGsLOqyI
  4. [ 編集 ]

難しいですねぇ

いかにも下品というか下世話な歌はそりゃあ、あかんでしょって私も思いますが、その品というのも人によって感じ方が違うわけで、かなり難しいところのお話ですよね。私はよく、言葉の使い方が俗っぽいとお叱りを受けます。気を使うと今度は「歌らしく」しようとして自分の言葉になってない…とお叱りを受けます。要するに私という人間そのものの品格が低いので歌の品格も低くなるということのようで…(^_^;)
 指折りてものを数へてゐるときにふといとほしも古りし吾の手
わが手を愛おしく思う雲さんの歌には花の写真のように品を感じます。いい歌ですよねぇ。そばにいたらその手を包みたくなります。 (^^)
  1. 2009/07/02(木) 14:15:40 |
  2. URL |
  3. take #5RIkxCRk
  4. [ 編集 ]

民謡

わかめ さん、コメントを有り難うございました。
万葉集の中で言われる民謡というのが、いまいち分らなかったのですが、要するに一般庶民に歌い継がれつつ少しずつ変化していったものらしいです。多分節がついていたのでしょうね。日本人の庶民の音楽の元祖だったのかも・・・どんな風に歌われていたのか聞いてみたいものです。
  1. 2009/07/02(木) 21:12:21 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

あれやこれや

takeちゃん、コメントを有り難うございます。
万葉集私注を読むと土屋先生の個性的な意見が随所に見られて面白いです。同じ歌に対しても、茂吉と文明では感じ方が違っていたりして。
この間の東京歌会では、清水先生の「今年ばかりと子規の嘆きのいちはつの唯ひそやかに藪かげにして」の歌がとても評判になりました。見えないところに技が効いている。写実の徹底した表現。などという批評がでました。雲も一言、リズムと音感の素晴らしさを。あの日、先生は茂吉の短歌声調論という本を是非お読みなさい、と勧められましたよ。
雲のつたない歌・・・(汗)
原作「いとほしき」が「いとほしも」に推敲されてしっかりクラシック調になりました(笑)
  1. 2009/07/02(木) 21:39:41 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

清水先生のお歌にかこつけてあれやこれや

雲さん、お久しぶりです。

名前ばかり参加している読書会があります。
今月の終わりにそこで「歌詠みに与ふる書」を採り上げるという。
で、お前がその当番をやらんかと。
会には文学にはあらねど筆で食うてる連中もいて、なかなか油断のならぬ集まりです。
巧妙な罠やもしれません。

なのに、思わずハイと。(^_^;)/◇
しかも、現在忙しさの極み。

 ****

先週の土日は久しぶりに家でダラダラ、DVD三昧。「のだめ 巴里篇」。
のだめちゃんが、教官に「あなた、ろくにアナリーゼもしてない。」って責められる。(^_^;)
うー、のだめ可哀想だぁーっ。

さて、音楽に限らず文学の古典にもアナリーゼは必須。
明治34年の子規の境遇は凡その理解はつきます。

同年の歌なら
瓶にさす藤の花ぶさみじかけれぱ たたみの上にとどかざりけり
子規の憂いを痛いほど感じます。
今年ばかりの春行かんとすは、あまりにベタやなぁと思う。

んで、アナリーゼの有る無しで最も鑑賞の分かれるのが
 いくたびも雪の深さを尋ねけり
俳句は余計なことを言えぬのがよい。(^_^;)

  1. 2009/07/06(月) 23:53:42 |
  2. URL |
  3. ひの字 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

のだめ 巴里篇面白そう♪

ひの字さん、お久しぶりです。コメントを有り難うございます。
何だか難しいお話で、慌てて検索でお手軽に子規の藤の花の歌の解釈など読んでみました。
歌の読みが浅くなるのは読み手の内容不足でしょうが、深読みされるのも作者にとってはある意味で迷惑かもですね。でも、それは云々しても仕方が無い事で・・・
子規って本当に強靱な精神力を持った方だと思ってます。子規ばかりでなく、歌人と言われる方がたはやっぱり相当な強さを持ってるんじゃないかと最近「感じ」ています。
で、アナリーゼって、アナライズのこと?ですよね。
清水先生などはやっておられるな~~~

いくたびも雪の深さを尋ねけり

ああ、とんでもないあなりいぜをしそうです(@_@)

すごく高級そうな読書会、ご成功をお祈り致します。
また教えて下さいませ。

ここにもA型が(^^) ちなみに父はAB 母はO  
  1. 2009/07/08(水) 15:04:06 |
  2. URL |
  3. 雲 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

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