
訳も分からぬうちに万葉集も巻十六である。
正岡子規は万葉集は巻十六が第一と評価したそうであるが、土屋先生は「子規の如くに積極的では無い」そうである。とはいえ、否定するわけでは無いという。
そんな巻十六には桜児さん、かずら児さんという美しい女性が登場する。
この女性達はそれぞれ、その美しさ故に同時に二人の男性に思いをかけられて、そのために苦しくなって自殺してしまうという悲劇の物語である。

今だったら考えられないような事であろう。何人の男性に思いをよせられようと、ちゃんとお付き合いして、気に入らなければきっぱりとお断りして、自分の一番好きな男性とゴールインするのではないかしら。しかし、ん十年昔の自分の乙女の頃を思い見れば・・・そう割り切れたかどうか・・・ん?そんなにもてたかな?兎に角現代と万葉の時代では、そのあたりは環境からして随分違いがあるのであろう。
その二人の男、悲しみて血の涙襟に流るるに敢へず。各々心緒を陳べ作れる歌二首
春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散りにけるかも 3786
妹が名に掛けたる桜花咲かば常にや恋ひむいや年のはに 3787 (恋人の名の桜の花が咲いたならいつもいつも永久に年ごとに思いつづけるであろう)
さあて、どちらの男性と結ばれた方がよかったのかしら・・・美しい女性はかなしいものではある。
- 2010/05/18(火) 15:22:47|
- 短歌など
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ママノテコナという万葉人の名前を思い出してググってみました。
間々の手児奈という女性が複数の男性に言い寄られて身投げしたと。
昔も今も悲しい話は心をそそる。美人薄命ってそんなところからも来てるのかしら。
きっぱり断るなんて出来なかったのかしら。
- 2010/05/20(木) 10:58:07 |
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- わかめ #gGsLOqyI
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訳も分からぬうちに巻十六っていうのがすごいです! 先生がいらっしゃるとはいえ継続は宝ではないでしょうか。
今は万葉集でもなんでも昔はそういうこともあったか、なんて思わないでもないですが、高校生の頃なんて源氏物語の浮舟なんてもうイライラを通り越して腹がたったような…。ねえ(^_^;) 美人でなくてよかった?
- 2010/05/20(木) 13:49:36 |
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- take #5RIkxCRk
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わかめさん、コメントを有り難うございます。
「二男一女の関係は稀な出来事ではあるまいから・・中略・・伝説に基づいて作られた物語であろう」というような事が文明先生の解説にありました。
偶々今朝テレビの「日めくり万葉集」でも巻一の14、「・・・神代より かくなるらし いにしへも しかなれこそ うつせみも つまを争ふらしき」の中大兄皇子の歌がとりあげられておりました。
女性も額田王くらいになると自殺などしなかったのですね。
- 2010/05/20(木) 13:53:04 |
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- 雲 #mQop/nM.
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takeちゃん、わかめさんにコメントを書いている間にコメント入れて頂いたのですね。
有り難うございます!(^^)!
源氏物語はtoko先生の授業でしたか(^_^)v
私は何故か「むかし男ありけり」が面白くて伊勢物語のテスト「だけ」成績が良かったです^^;
美人は余計な気を使って生きねばならぬ。気の毒な事じゃ。
- 2010/05/20(木) 14:05:18 |
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- 雲 #mQop/nM.
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小さい時からむすっとして可愛気のない子でした。
美人じゃないから、せめて愛嬌だけでも良いといいんだけど、という
母の遺志を守って生きておりまする。
- 2010/05/20(木) 21:57:11 |
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- サイコ #ZeC0G1NE
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&ユーモアとウイットというつよ~い武器があればみんなからあいされるというわけで、だからお友達が二人じゃなくて沢山ね!
しか~し、お互いに一応番茶も出花という時期が確かにあったわけなんだけれど、今となってはまるで現実味が無いですネ^^;・・・
- 2010/05/20(木) 22:58:02 |
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- 雲 #mQop/nM.
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